大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和37(オ)1389 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士所恭之介の上告理由は別紙のとおりである。

上告理由第一点について。

論旨は、上告人は、昭和二三年九月に、本件山林の贈与を受けた旨を主張するの

であるが、本件買収処分前に、上告人が右の贈与を受けた事実は、原判決の認定し

ていないところである。論旨は、原判決の事実認定を非難するに帰し採用の限りで

ない。

同第二点について。

論旨は、本件買収処分は、その前提として必要な調査を欠き、その結果として所

有者及び地積を誤認した違法があるというのである。

この点について原判決の認定するところによれば、本件買収処分当時、本件土地

は、上告人、上告人の母、上告人の妹らの共有にかかるものであつたのであるから、

これを母Dの単独所有としてした本件買収処分が違法であることはいうまでもない。

しかし、処分の前提として調査を十分にしたかどうかは、処分の有効、無効にはか

かわりのない問題である(昭和三六年三月七日第三小法廷判決、民集一五巻三号三

八一頁)。原判示のような事情のもとでは、被上告人が母Dを所有者と誤認したの

も無理からぬ点があり、その誤認を本件買収処分の重大かつ明白な瑕疵ということ

はできない。原判決が本件買収処分を無効でないとしたのは相当である。また、そ

の地積について所論のような程度の誤認があつたからといつて、本件買収処分を無

効といえないことも原判示のとおりである。論旨は理由がない。

同第三点について。

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行政処分が法令に違反したからといつて、所論のように、直ちに、権利の濫用と

はいえないし、またその処分を無効ということはできない。論旨は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

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